アプリケーションアーキテクト Application Architect
2007年キャリア入社 遠藤 圭介
私は15年ほど前にNRIに転職し、以来、証券システム開発の最前線でキャリアを重ねてきました。以前は、当時台頭していたネット証券会社でシステム構築のプロジェクトマネジメントを担っていましたが、ベンチャー企業らしく開発のスピードが要求され、短いスパンでとにかく案件をこなしていくような日々でした。次第にこうした状況では品質を担保できないと問題意識を抱くようになり、環境を変えたいと転職を考えるようになりました。なかでもNRIに注目したのは、その実力を肌で感じたからです。前職のネット証券会社で一部をNRIが担い、システムを構築していたのですが、まったく障害が起きず、開発品質の高さに感心しました。証券システム開発ではNRIは国内最高峰であり、これまでの経験をもとにキャリアアップできそうだとNRIへの転職を志望したのです。
入社後、最初に携わったのはオンライントレード向けのASPサービス。基幹となる証券取引の機能の実装とともに、トレーディングツールとの連携など高速性能が求められる領域のミドルウェアの開発にも取り組みました。そして3年目から、ASPで提供する証券フロントシステム開発のリーダーを任され、プロジェクトを遂行しました。その後、このフロントシステムを再構築する案件においても、PM(プロジェクトマネージャ)を担うとともに、アプリケーションアーキテクトとして新たな技術の導入にも力をふるいました。
金融系のシステム開発は保守的なイメージがあるかもしれませんが、NRIは新しいことへのチャレンジに挑戦する風土であり、私もこれまでに次々と実行に移してきました。先に触れた証券フロントシステムの再構築では、マルチチャネルに対応するレスポンシブウェブデザインの導入など、その時代に応じた新たな技術の採用を導入・検討し続けています。社内でR&Dを起案し、フィジビリティスタディやPoCを実施して検証したりなど、理にかなった企画提案であれば、上層部はまず承認してくれます。さらに技術的に難易度が高いものは、社内で開催されるインフラデザインレビューで議案にかけられ、技術系の各本部の有識者から過去の事例や経験からアドバイスを頂く機会もあり、そこでより深く検証する機会を得ることができます。こうした環境が整えられているので、やりたいことを真に追求できるチャンスは大きいです。これは保守的にならず、先進的な挑戦を前向きにとらえるNRIならではだと思います。
また、つい先日、証券フロントシステムを再び刷新する大規模なプロジェクトが展開されましたが、ここでもPMとアプリケーションアーキテクトを務め、果敢に新技術を導入しました。社内のデータセンター上でKubernetesによるコンテナ化を図ってアジリティを高めようと立案し、実現に向けてプロジェクト全体をリードしました。コンテナ環境構築にともなう方式設計では、基盤、ミドルウェア、アプリケーションの各開発リーダーと2カ月間に渡ってひたすら議論し仕様を検討しました。たいへんな作業でしたが、各分野の専門家たちと知恵を結集し、考え抜いたおかげで後の開発がスムーズに進行しました。最初にユーザーリリースをした際には、私をサポートしてくれた上司からは「久しぶりにこんな完璧なリリースを見た」と賞賛いただき、その時はとても大きな達成感を味わいました。
現在はまた新しいミッションを担い、主力ソリューションのひとつである金融システムの再構築へ向けて、アーキテクチャの刷新と段階的なモダナイゼーション化を責任者としてリードしています。これもチャレンジしがいのある案件で、高いモチベーションを持ってプロジェクトに臨んでいます。私がこれまでNRIを離れずキャリアを重ねてきたのも、こうして次々とレベルの高い開発ができる環境に恵まれているからです。自らR&Dを企画し、新技術を評価・検証し、それをもとにプロジェクトを起こすことができる。ひとつ成し遂げた後も、さらにスケールが大きく、かつ難度の高いテーマに挑戦できる。決してマンネリに陥ることはなく、常に先端の技術を取り入れ、自分の成長を実感できることに、私はNRIでキャリアを積む大きな意義を感じています。
これまでさまざまな案件に携わり、開発スキルとマネジメントスキルについては大規模なプロジェクトを独力で動かせるレベルに達していると感じています。今後は、このスキルをベースに、証券会社のお客様が抱える課題を解決するコンサルティング力や、お客様のビジネスに新たな価値をもたらすサービスの企画開発なども手がけていきたいと思っています。
ゆくゆくはユーザ企業のCIOを担える人材に成長できる環境だと思いますし、こうしてNRIでひたすら自分を高めていきたいと考えています。
※内容はインタビュー当時のものです。