経営コンサルタント Management Consultant
2017年キャリア入社 高田 篤史
私は医薬品の研究開発者からNRIのコンサルタントに転職しました。前職では創薬研究と臨床開発に10年ほど携わり、幸運にも探索研究から新薬上市まですべての過程を経験することができました。研究開発の仕事に不満はありませんでしたが、プロジェクトが進むにつれてビジネスの観点から物事が判断される局面が増え、そこに関われないことにもどかしさを感じていました。そんな経験をするうちに経営への関心が強くなり、大局的に意思決定できる人材になりたいという気持ちが湧いてきたのです。また私自身、新薬の開発を一通り経験し、新しいことにチャレンジしてみたいという想いもあって転職を考えるようになりました。
キャリアチェンジにあたって、私が望むキャリアを実現できそうなポジションとしてコンサルタントを志向し、外資系を含めてコンサルティングファームをいくつか検討したところ、いちばん惹かれたのがNRIでした。私のこれまでの経歴が活かせるヘルスケア領域でのコンサルタントの募集であり、また面接を通して自由でカジュアルな雰囲気が伝わり、この会社はきっと自分に合っていると感じて入社を志望しました。
NRIに転職後は、最初の2年ほどはヘルスケアに関わるコンサルティングを幅広く経験しました。官公庁をクライアントとした、行政のデジタル化のプロジェクトなどにも携わりました。仮説の立て方やファクトの捉え方など、以前の研究開発とはまた違う思考が求められましたが、案件を通してNRIのコンサルタントに求められる能力を身につけ、自分の幅を大きく拡げていきました。また、自分がクライアントと議論してきた内容が、国の政策として実行されていく様を報道などで見聞きし、改めて自分の仕事を誇りに思うことができました。
コンサルティング部門に参画して強く感じるのは、NRIは本当に自由度が高く、自分のやりたいことができる環境だということです。たとえば外資系のコンサルティングファームなら、クライアントを開拓して案件を獲得するのは通常パートナーの役割です。一方、NRIでは誰でも自分がやりたい案件を、自分で営業して創り出すことができる。極言すれば、入社1年目から自分のクライアントを持つことも可能であり、上司もそれを後押ししてくれます。私もさまざまな領域のコンサルティングを経験して2年経った頃、やはり医療に直接貢献することを自分の軸にしたいと考え、製薬企業の案件を中心に手がけていこうと決意しました。上司にその意思を伝え、課題を抱える製薬企業にアプローチして経営を支援したいと訴えたところ、クライアントの開拓に力を貸していただき、すでに何社か自分が案件をリードするお客様を抱えています。
なかには、3年目からおつきあいを始めて現在までプロジェクトが継続し、強力なパートナーシップを築き上げているお客様もいます。そのクライアントには、上司とともにコンタクトを図って提案の機会を得て、未来に向けての長期的なビジョンを描いて提案したところ、評価いただき実行に移されることになりました。最初は予算の都合で小さなプロジェクトからのスタートでしたが、そこで成果を上げるとお客様の社内でも注目されるようになり、徐々に我々のプレゼンスが拡大していきました。いまでは先方の経営層まで巻き込み、そのお客様の経営にとって極めて重要なプロジェクトになっています。
我々が担うのは、単にビジョンや戦略を提示するだけのコンサルティングではありません。絵に描いた餅で終わらせることなく、それを実現するところまでハンズオンで深く関わっていく。たとえば、戦略実行においてアライアンスが必要ならば、パートナー企業を発掘するために顧客に先だって打診訪問や交渉を担うこともあります。こうしてお客様と一体となってプロジェクトを進め、目指すべき姿に近づいていく達成感をお客様と共有できた時などは、とてもやりがいを覚えます。コンサルティングを重ねるにつれてお客様からの信頼も増し、「このプロジェクトは高田さんが抜けてしまうと終わってしまう」とまで言っていただくこともあり、常に高いモチベーションで仕事に臨んでいます。
私は、NRIが掲げる「未来創発」というステートメントをとても気に入っています。いま私がリードしているプロジェクトは、医療の領域でまさにそれを具現化している実感があります。そしてNRIは目先の利益だけに囚われず、この未来創発に繋がる取り組みを尊重する文化があります。たとえば今、我々は“Value Based Health Care”に注目しています。患者さんにとっての価値基準で医療を変革していこうというコンセプトであり、現時点で日本の社会的な注目度は決して高くないテーマですが、未来に向けてあるべき医療の形だと私は考えています。こうした長期的な社会課題の解決に貢献していくこともNRIは自らの使命だと捉えており、積極的に後押しをしてくれます。「自己実現」を果たすにあたってNRIほどふさわしいフィールドはないと感じていますし、これからも自分のやりたいことを貫いて「未来創発」に挑んでいきたいと思っています。
※内容はインタビュー当時のものです。