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NRIグループをリードするビジネスアナリストが語るグローバル案件のリアル。プロジェクトを完遂させるために必要不可欠なプロ意識とは?

NRIグループが誇るプロフェッショナルたちの仕事や想いをお伝えするシリーズ<NRI Professionals>

グローバルプロジェクトへの挑戦

野村総合研究所のキャリア採用サイト「NRI career」をご覧いただきありがとうございます。

今回のインタビューでは、資産運用ソリューション事業本部の上倉さんにグローバルなプロジェクトにチャレンジする醍醐味、グローバルだからこその苦労話、プロジェクトを推進・完遂するために何が必要なのか、ということについて詳しく聞きました。

顧客側に立って、顧客のIT戦略立案やIT計画遂行支援などをリードするビジネスアナリストとして、高い価値を発揮し続けてきたプロフェッショナルとしての仕事の姿勢をお伝えします。

上倉さんのNRIにおけるキャリアについて

──今日はよろしくお願いします。最初に上倉さんのNRIでのキャリアについて教えてもらえますか?

1999年にNRIに入社し、最初の10年は金融系のシステムエンジニアとして、ATMの取引分析システムや電子マネー導入に関わるプロジェクトなどでキャリアを積みました。

ただ、私は以前から「グローバルな仕事にチャレンジしたい」という希望を持っていましたので、1on1などの上司との面談においてアピールし続けていたところ、あるお客さまの海外拠点の「システム入替プロジェクト」を紹介され、グローバルなキャリアへと舵を切るチャンスを得ました。

──念願のグローバル案件へのアサインですが、異動後はすぐに海外へ行かれたのですか?

しばらくの間は日本にいながら海外の仕事をしていました。日本で働いてはいたものの、周りは外国人の方ばかりで、打ち合わせもドキュメントも全部英語。私は英語がネイティブレベルというわけではなかったし、さらに同じ金融系とは言え、全く経験のない領域だったので、まずは専門用語を覚えるところからのスタートでした。最初は苦労しましたね。

夢中でキャッチアップしているうちに、少しずつ海外に行く機会が増えていきました。おそらく当時の上司は、「上倉はシステムの設計・開発よりも、ビジネスアナリストとしてお客さまと直接コミュニケーションを取るような業務の方が向いている」と判断したのだと思います。

お客さまの海外拠点へ出向いてシステムの要件定義をしたり、受入テストに立ち会ったりする機会が多くなり、2〜3年の間に欧州、北米、アジアの国々の拠点に出張しました。その期間だけでも累計半年以上は海外で仕事をしていたと思います。

当時、その状況をすごく楽しめていたかといえば、プレッシャーと半々なところはありましたけどね。出張は必ず1人か2人で行っていたので、私がお客さまとしっかり話して、お客さまの要望を汲み取り、東京に伝えなければならない、というプレッシャーはそれなりに大きかったと思います。

プロジェクトについて

──上倉さんがビジネスアナリストとして活躍されたプロジェクト内容について教えてもらえますか?

海外に複数拠点を展開する日系の金融系企業さまからのご依頼ですが、国をまたいで別々に動いていた2つの同種のシステムを、一方の拠点に統合・集約する、というプロジェクトでした。そもそもは東京本社でのグローバルなITデザイン・中計策定の戦略コンサルからスタートしたのですが、海外拠点にいる現地メンバーの移管も含め、システム移管・統合までの一連のプロジェクト支援などを一気通貫で対応し、実現しました。東京本社への支援を軸にして、海外2地域の拠点・システムを統合するようなプロジェクトは、NRIでも初の事例であったと思います。

──同プロジェクト内で、上倉さんはどのような役割を担っていたのですか?

お客さまの東京本社からの発案で移管や統合の話が出たものの、当初はどのような課題があるのかも不明瞭な状態でした。そのため現地へ赴き現状把握や課題収集、拠点間のコミュニケーション構築、業務とシステムの見える化など、移管と統合のために取り得る選択肢について、さまざまな案を提示しました。

途中、お客さまの本社側の意思決定がなかなか進まない時期もありました。そんなときも「こういう方向性で上司の方にご相談されてはいかがですか?」といった感じで、お客さまの意思決定を支援するようなサポートも行いました。

また、プロジェクトの途中でコロナ禍となったため、現業優先で何度も計画変更があったり、リモートワークの普及なども含めて環境が激変しましたが、さまざまなタスクをこなしながら、最後までお客さまと伴走しました。

困難なプロジェクトを前進させた「根気」「強引さ」「真摯な姿勢」

──非常に難度の高いプロジェクトであったことが想像できますが、コロナ以外ではどのような課題やハードルがあり、どのように乗り越えられてきたのでしょうか?

それぞれの拠点には、本社社員、海外赴任者、現地スタッフ、現地ベンダー、NRIなど、さまざまな関係者が集まっており、それぞれが持っている情報の内容や粒度はもちろん、それぞれの意向や思惑も異なっていたりするので、コミュニケーションの齟齬は頻繁に発生していました。そのため、関係者それぞれの立場や意向、思惑などを理解した上で、わかってもらうための説明・説得を根気強く繰り返しました。

時にはNRIもお客さまも関係なく、「思いつくことは全部やってみよう」という感じで、ある程度の強引さが必要になるフェーズも多かったですね。

また、最初のうちはNRIのメンバーが、現地スタッフの人たちに受け入れていただけないような状況も発生しました。私たちはそのような状況を打開するために、現地スタッフの人たちと机を並べ、バリバリと手を動かして働くなど、「皆さんのために頑張っています!」という真摯な姿勢を伝え続け、信頼関係構築に努めました。

NRIの社員である以前に、プロとして何ができるのかが問われる環境

──グローバルな仕事には華やかなイメージがある一方、非常に泥臭い面もありますよね。

本当にそうですね。文化や国籍の違いはあっても、最終的には「人対人」の仕事なんだな、ということに改めて気付かされます。NRIという社名が通用しない海外では、「あなたは誰ですか?」というところからのスタートとなりますので、余計にそう感じるのかもしれません。

国内のプロジェクトではお客さまに対して、一人ひとりの経歴やスキルを説明することは少ないと思いますが、海外の案件ではそれらを説明することが当たり前ですし、自分の経歴やスキルに関してプレゼンをしなければならないケースも珍しくありません。NRIの社員という以前に、プロフェッショナルとして「何ができるのか」を問われやすい環境であることは間違いないと思います。

──上倉さんにとって「プロフェッショナルの仕事」とはどのようなものでしょうか。

お客さまの期待に応え、お客さまの役に立ち、お客さまに価値を提供することに尽きると思います。先ほどの話のように泥臭く真摯に働くことも一つですし、自分で学んだ知識・ノウハウをお客さまに対してわかりやすく伝えることも大切ですよね。

私がNRIに入った理由の一つでもあるのですが、NRIには多種多様なお客さまを担当できる機会があります。それらの幅広い仕事で得た知見を活かして、NRI独自の技術やノウハウを提案したり、さまざまな形で私たちにしか出せない価値や気づきを提供することにより、お客さまとより良い関係性を築いていくことが重要なのではないかと考えています。

──上倉さんがご経験されたプロジェクトを軸に、ビジネスアナリストとしての貴重なエピソードをお聞きできたと思います。今日はありがとうございました!
(聞き手・串間 淳)