<NRI Leader’s Voice>組織として目指すフルスタックITアーキテクトとは
NRI Leader’s Voice
野村総合研究所のキャリア採用サイト「NRI career」をご覧いただき、ありがとうございます。「NRI Leader’s Voice」は、NRIグループのビジネスを牽引するリーダーたちに、事業の魅力や展望を語ってもらうシリーズです。今回はITアーキテクチャーコンサルティング部の部長を務める槇さんに聞きました。
注)組織名・役職名は取材当時の名称です。
話し手:ITアーキテクチャーコンサルティング部 槇 克久
「どう作るか」から「何を作るか」へ
――まずは、自己紹介をお願いします。
2024年4月からITアーキテクチャーコンサルティング部の部長を務めている槇です。私は2001年に新卒で大手SIerに入社しました。一社目では、最初は金融系の基盤エンジニアとして、基盤の選定、設計、構築、テストなどを行いました。その後、Java、C、COBOL等を用いたアプリケーションの開発も担当し、基盤からアプリの領域における設計、開発、運用・保守を幅広く経験しました。NRIにシステムコンサルタントとして入社したのは2008年です。
プライベートな面では、昔やっていたテニスを、今度は子供と一緒に楽しんでいます。それ以外に読書やプラモデル、最近はVtuberにもハマっています。子供が興味を持つものに影響されていますね(笑)
――なぜNRIに転職したのですか?
前職のSIerでは、お客様に要望をいただいてから「どう作っていったらよいか」を考えることが主な仕事でした。自社でハードやソフトを持っていたこともあり、それらを組み込むための社内での調整も少なからずありました。また、作るものは決まったうえで、どのように品質を高め、効率的に作るかの議論が多いと感じていました。一方で、お客様のもとに出向き、お客様のやりたいことや課題を聞くことには、強く魅力を感じていました。そのため、開発のフェーズに加えて、より上流の開発に入る前の段階からお客様と関わりたいと思い転職を考えました。
答えがない世界に苦戦
――コンサルタントに転職して苦労はありましたか?
頭の使い方に悩むことは多くありました。コンサルタントが挑むのは、「お客様のやりたいことを実現するために、そもそも何を作るべきか」というお客様も答えをもっていない世界です。最初は受け身になってしまい、それまでのエンジニアとしてのスキルだけでは足りないものがあると感じ、つらい時期もありました。
――どうやって乗り越えましたか?
お客様が好きで、お客様のために何かしたいという思いが強かったのが良かったのだと思います。お客様のニーズの背景、例えば経営層の思いや現場の課題やニーズ、お客様の社内の人間関係などの領域まで理解しようと努めるうちに、少しずつ考え方が変わっていったと思います。そうしてさまざまな経験を積んでいった結果、ITのグランドデザインや個別システムの構想や計画、調達のためのRFP策定など、入社前にやりたかった開発前の工程にも関わることができています。
システムコンサルティングでは、お客様と一緒に現状を可視化し、課題を解決するための将来に向けた地図を描くことが重要です。地道な活動が成果として見えるようになり、お客様に喜んでもらえることに今はやりがいを感じています。
フルスタックITアーキテクトとして
――現在の組織について教えてください。
システムコンサルティング事業本部では、業界軸と機能軸の2種類の組織がクロスしながら、さまざまなプロジェクトに対応しています。私たちITアーキテクチャーコンサルティング部は、その中でインフラを中心としたシステム全般をスコープとする機能軸の1つを担っています。経営・事業戦略とビジネスを見据えてITアーキテクチャー(情報システムの全体構造)の整合性を確保し、フィージビリティの高いシステムの将来像を描き、実現していくことを目指しています。
提供するサービスの領域の幅は広く、ITの戦略や将来のインフラにおけるグランドデザイン、システム化の構想や計画、システム運用の高度化、ゼロトラスト、データ活用基盤、ネットワークまで、さまざまです。また、私たちのミッションにはソリューション部門との連携も含まれています。コンサルティングの領域から入り、作るべきシステムが見えてきた段階でソリューション部門へとつなぐ「コンソリ連携」と呼ばれる活動を行っています。
――どのような領域のニーズが多いのでしょうか。
最近では、コーポレートITのトランスフォーメーションやDX実現に向けたアーキテクチャー策定、データ活用やAI活用に適したアーキテクチャーの構想などの引き合いが増えてきています。お客様の業界は幅広く、ご要望もさまざまです。そのため私たちは組織として、業界、業務、テクノロジーの3つの観点で専門性を高め、フルスタックITアーキテクトを目指しています。
常に技術に関する最新の知見をアップデートしていくことが求められる
――キャリア入社者はどのようなスキルを持っていますか?
システムの開発経験、その中でもクラウドや運用など得意な領域を持っている方が多いですね。私たちがキャリア入社の方々に期待するのは、それまでの開発経験や使ったことのあるプロダクトに関する深い知識です。私もエンジニアの頃に培った技術や知見はコンサルタント歴の方が長くなった今でも活用できますし、その経験はシステムコンサルタンティングにおける自分の強みだと思っています。システム化構想やアセスメントといったシステムコンサルティングに関わる業務は、入社後にキャッチアップしながら伸ばしていけるスキルだと考えています。
――未経験の業務をキャッチアップするのは大変ではないですか?
入社後はOJTが中心で、リーダーとともに実際の案件に参加し、コンサルティングの活動を共に進めます。1案件は短いものだと3か月程度のものもあり、同時に複数案件を経験してもらう機会も多いです。コンサルテーマの実績を重ね、得意な領域を見つけていきながら、経験ややりたい領域に応じたアサインをしていきます。経験のない若い人には新しいことに挑戦してもらいたいので、幅広くアサインしています。興味を持った分野や高めたい専門性が見つかった場合、それを伸ばす機会をできるだけ提供しています。
――この組織だからこそ経験できる、やりがいや機会について教えてください。
エンジニアの時と比べて、自ら手を使って開発する機会は少なくなりましたが、最新の技術動向やその活用事例をおさえ、その中からどれをお客様に適用すべきかを考え続けています。実際の案件における調査活動以外にも、部活のような感じで技術に興味がある人たちが集まって調査・研究した結果が、将来的にシステムコンサルティングのメニューにつながることもあります。お客様も技術も常に進化しているので、技術が好きな方やこだわりのある方がその知見を深め、コンサルティングの中で活用していくケースも数多くあります。技術とコンサルティングを両輪にして、ずっと成長し続けられる環境だと思います。
――ありがとうございました。