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Part1【Event report】N-Radi#3「NRIのAIコンサルって何するの?-AIと共創する未来-」キャリア編

エージェント向けイベントの模様をお届けします!

NRIでは定期的に人材紹介会社向けのオンライントークイベント「N-Radi(エヌラジ)」を開催しています。
そもそもこのイベントは、人材紹介会社のエージェントのみなさまに、NRIの仕事や社員の魅力をより身近に感じ、深く理解いただいた上で、転職を希望される方にNRIの魅力を伝えていただくことを目指して企画しています。(N-Radiというイベント名にはラジオ感覚で気軽に楽しんでもらいたいという思いが込められています。)

第三回は3月に開催され、「NRIのAIコンサルって何するの?-AIと共創する未来-」と題して、コンサルティング事業本部AIコンサルティング部の河邊俊輔(かわべしゅんすけ)さんに登壇いただき、河邊さんのこれまでのキャリア、AIコンサルティングとは実際にどんなことをしているのか、お話いただきました。
今回はその中から一部抜粋し、全2回のレポートとしてお届けします。
まずはトークセッション形式で進めたキャリア編です。

これまでのキャリアについて

(河邊さん)今日は実際AIコンサルタントって何をしているんだろうっていうことについて、私のキャリアを振り返りながらお話できればと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
2010年にNRIに入社し、今はAIコンサルティング部に所属しています。NRIのコンサルティング事業部の特徴でもあるんですが、資料を見ていただいてもお分かりになる通り、頻繁に部をまたいだアサインが多く、結果的に経験領域は幅広いものになっています。

入社1年目~6年目まで

1~4年目は実行支援型の業務コンサルや戦略系案件にローテーションしながら経験を積みました。メーカーやインフラビジネス、商社といったB2Bの顧客が中心でした。

5年目からはコンサルティング事業部の新卒採用に関わっていまして、学生向けに説明会をしたり面接官を担当したり、あとはプロモーションですね。当時やっていなかったWebマーケティングを導入しました。GoogleやYahoo!の検索広告でNRIのインターン情報を掲載してみたりしたのですが、そうするとエントリー数が三倍に増えまして。なによりもこれまで人間がやっていたことをデジタルで代替するとこんなにインパクトがあるんだな、デジタルの力ってすごいんだな、と実感しました。

入社7年目~海外MBA留学へ

この経験があったので採用担当からコンサルティング事業本部に戻るときにはB2BではなくB2C向けの組織を希望し、異動しました。異動先のICTメディア・サービス産業コンサル部では、コンビニやドラッグストアなどの小売業向けのコンサルを行うようになります。ちょうどオムニチャネルやDXが流行り始めたころだったので、関連した提案を多くやらせてもらいました。

あとは官公庁や地方自治体向けのプロジェクトですね。これは公表されているのでお話できるのですが、広島県がデジタル領域に非常に積極的なのですが、県として出す補助金・支援金を使ってデジタルイノベーションを起こしていくというプロジェクトの事務局をNRIがやっており、そうしたプロジェクトにも関わりました。また官公庁や小売業がGAFAや携帯キャリアとの連携を強化しているという動きもあり、その支援として双方の話を聞きながら仲介していく、みたいなことも経験しました。

契機になったのが11年目にNRIの派遣留学の仕組みを使ってMBA留学に行かせてもらったことですね。
ちょうどコロナ禍と重なってしまったこともあり、留学と言っても最初は半分オンラインのハイブリッドでしたが、二年目は対面で参加することができました。
その中で人材や組織のあり方をテクノロジーがどう変えていくのか、例えばオンラインオフラインに跨った働き方や、AIを使った人材配置や組織管理といったことが今後どうなっていくんだろう、みたいなことを授業を通じて学べたのがとても収穫でした。

帰国後、新規事業へ挑戦

日本に戻ってきたときにその経験を実際ビジネスとして提供していきたいという想いがあって、AIコンサルティング部というところに今在籍しています。
ここでコンサルタントとして実際のプロジェクトに関わりながら、実は社内のボトムアップR&D制度「イノベーション推進分科会」で起案をしまして、生成AIを活用した人材・業務マッチングであるTalent market placeの事業開発も進めています。

Talent market placeは欧米にある概念みたいなものなんですが、一般的には人事部が中心となって配置・配属を考えていると思うのですが、人材のスキルや性格パーソナリティ、キャリアプランといった情報と、現場のプロジェクトや将来的なロールやポスト、得られるスキルなどそれらを「機会」として表し、人材と機会のマッチングを実現するプラットフォームをTalent market placeと定義しています。簡単に言えば会社の中に人材マーケットを作って、人材と業務が市場原理で結びついていくようにしましょう、というものです。

実際に今実証実験を進めているものは人材と機会をただマッチングさせるだけでなく、社員に対して「あなたが持っているスキルやキャリアプランからすると、こういった理由からこの仕事がいいですよ」とコメントを付けてレコメンドしてくれます。
逆に人材を探している現場に対しては他の候補者と比較して何がよりマッチしているのか、というポイントを添えて推薦をしてくれるだけでなく、どんな経験を積ませることができれば、将来、より適性のある人材へと育成できるのか、といったアドバイスまでしてくれます。

この新規事業については、今は事業性検証や社内実証などのステージを超え、社外PoCを実施中です。どんどんメンバーが増えていまして、コンサルタント、データサイエンティスト、エンジニアの混成チームで運営しています。興味がある方には積極的に参画してもらっていて、キャリア採用で入られた方にも、入社してすぐに入ってもらったりしています。その他にもいろんな本部の方が営業を手伝ってくれたりもしています。

Q&Aセッション

―――お話ありがとうございます。いくつかお伺いしたいのですが、まず入社1年目~4年目ぐらいの新人の頃はどんな仕事からスタートするんですか?

本当のスタートでいうと、やはり議事録取りからです。議事録取ってインタビューを回し、結果をまとめて整理し、資料化してプレゼンする、みたいなところですね。新規事業開発でも調査が必要になったりしますのでこうした業務が中心になります。あとは投資判断の時ですとエクセルワークですね。数値の評価が入ってきますので、そういう分析など、まさにコンサルの足腰みたいなところを鍛えていました。ただ、NRIの場合は2年目からは新人扱いされず、一連の資料を一人でつくる、インタビューや会議を一人で回す、なんてこともざらです。常にストレッチしたタスクを与えられてきましたが、そのおかげで4年目にはプロジェクトリーダーで2,3本を問題なく回すことができるようになりました。

―――実際お客さまの前に立つようになるのは何年目ぐらいからになるんですか?

もう初日からですね。実は私、最初に名刺交換したのがある一兆円企業の会長だったんですけど、そういうところはNRIはちょっと、あの、なんていうか緩いところがあって逆にいいところなんです(笑) 実際、よく言われますね。NRIさんは若手がよく喋りますねって。でも自分で作った資料とか、自分が調べたものは自分で話す、が当たり前でしょ?みたいな暗黙のルールがあるので、もう若手もどんどん強制的にお客さまの前に出していって経験積ませるっていうことですね。先ほどの若手の頃の作業っていうのも、社内でやって終わりではなくて、常にお客さまに対して提供するっていうのがセットになっていました。

―――最初の名刺交換のお話はインパクトありますね。河邊さんご自身は自分の意志でいろんな業界チャレンジされていると思うのですが、ほかのコンサルの方々も同じように幅広く経験されているのでしょうか?

人それぞれっていう答えになりますね。どちらも選べるというか、上司から指定されることはないですね。あなたはジェネラリストになりなさい、とか、あなたはここで専門性を築きなさいって縛られることはないので、自分で探していくことになります。具体例で言うと、ヘルスケアや官公庁系のようにその業界業種に必要なナレッジなどが専門性の高いものだと、そこで腰を据えた方が仕事がやりやすくなるので、ずっとそこで経験を積むという人もいますが、それに縛られるものではないです。実際に私も民間案件がほとんどですが、官公庁系や地方自治体も経験していますし。
だいたい4、5年目ぐらいまでにいろんなことを経験するというのが推奨されていて、そこから自分の柱を何本か見つけて育てていくというのが一般的な形になりますね。
NRIのコンサルの特徴として、異動が多くアサインが現場でも決まるというのがありますので、やりたいことに手を挙げておくことが大事だと思います。そういう意味では何かしら目的をもって入社されるとハッピーかと思います。

―――かなりキャリアに柔軟性はあるんですね!少し話題を変えて、Talent Market Placeについて伺いたいのですが、なぜこの事業を起業ではなくNRIでやろうとしたのですか?

生成AIっていう爆速の技術トレンドにキャッチアップするのはスタートアップの数人だと難しいと思いました。プロダクトの開発に携わる人は数人だったとしても、先端テクノロジーのキャッチアップや様々なアプローチを考えるためには脳みその数がものを言うと思っています。その点、NRIには数百人単位で生成AIに関わるエンジニアがいて、日々ナレッジを共有しています。
それから自分で言うのも口幅ったいですがNRIは仕事に対して真面目な人が多く、またこういう事業をしたいと共有した時に共感してくれる人がいたので、やるんだったらNRIでやりたいな、と思ったのが大きかったです。
次に豊富で安定したキャッシュですね。リーマンショックであっても営業利益10%くだらなかったっていうのはもうその証左かなと思います。またAI×人材はハイリスクなのでセキュリティ・AI規制リスク対応という点でもNRIには強みがありました。
最後は実際に社外に売っていく、となった場合のネットワークですね。実際NRIのパートナーとかフェローがいろんな企業の経営層の方々と通じているのですが、このプロダクトを気に入っていただいて、いろいろ紹介いただけるので、本当に助かっています。

―――最後に、この先どんなことをやっていきたいと考えていますか?

人間とAIが共創する社会になっていくと思っています。AIにおんぶにだっこではなく、人間の業務をうまくAIに代替してもらったり、一緒に考える部分をサポートしてもらいながら何かを作り出すことにAIを使っていく、そんな社会になっていくと思っています。今取り組んでいること、これからやろうとしていることがそんな社会を作る一助になれば、と思っています。

AI活用を推進する上で、企業はどんな課題を持ち、NRIはどんなサービスを提供しているのか。Part2のプロジェクト編はこちらから!

河邊さんが所属するコンサルティング事業本部の求人はこちら

writer:串間 淳
2007年より約5年間、販売促進の代理店で営業を務め、その後、大手人材サービス会社へ転職。約10年間、IT・コンサル業界のキャリア採用支援に関わったのち、2023年1月より野村総合研究所人事部のキャリア採用担当としてジョイン。採用ブランディングを主に担当しています。